ひとり言

親父が退院しました

喉頭がんで入院していた親父が、無事退院いたしました。

10年以上前に胃がんを2回、今回80歳を越えて3回目のがんですが、いずれも転移はなくて尚且つ抗がん剤を使わずに済んでおり、ギリギリのところで運が残っている感じです。

 

ただ、ステージ4の喉頭がん(※TNM分類のTのみ4)なので、声を残すために放射線治療でというのは難しく、喉頭切除をし声を失う代わりに、がんを全て取り去る選択をしました。

※TNM分類とは、がんの進行度に応じて設定され、

  • T:原発腫瘍(がん)の大きさ、
  • N:リンパ節への転移の有無、
  • M:遠隔転移(他の臓器への転移)の有無

の3つの要素を組み合わせて分類、各ステージに応じた治療が行われます。

親父の喉頭がんはTがステージ4、N・Mはステージ0(転移なし)で、総合評価でステージ4と診断されました。

 

声は失うことになりましたが、咳が止まらず眠れないことに苦しんでいたことに比べれば、かなり楽になったそうなので、母と私も苦しまずに生きてさえいてくれるならという気持ちでひとまずはよかったかなと。

 

呼吸するための永久気管孔は思ったより大きい

本人に何か動けない事情があった場合、家族も永久気管孔から痰を吸引できるようにしておかないといけません。

退院前に看護師さんの付き添いで吸引の練習をすることになり、初めて首の永久気管孔を見ました。

気管切開の時につけていたカニューレくらいの太いペン程度の大きさを想像していたけど、ペットボトルのキャップくらいの大きさの穴が空いてました。

 

でかい、そして中が見えるから生々しい。

ここから空気が出入りするのか……すげえな医学。

 

人工鼻って何

痰を取り除いた後に、永久気管孔を人工鼻でふさぎます。

人工鼻は、嗅覚を除く鼻の機能の代わりをするフィルターのようなもので、永久気管孔からの吸気を加温・加湿し、痰を減らし気道乾燥による弊害を防ぐために必要です。

アドヒーシブといわれる接着器具を永久気管孔につけ、その器具に人工鼻をとりつけるわけですが、どんなイメージかというと、まんまペットボトルのキャップをイメージしてもらうとわかりやすいかも。

ペットボトルの口の部分(凸)のついたシールを首の永久気管孔に貼り、ペットボトルのキャップ(凹)を取り付ける感じ。

 

人工鼻は衛生面と加湿効果の効率から1日1回の使い捨てで、アドヒーシブは2~3日に1回頻度で取り替えます。

永久気管孔から肺に冷たく乾燥した空気を送ると、痰がでやすくなったり乾燥によって細菌が繁殖しやすくなるので面倒ですが致し方ないです。

 

人工鼻は、通常のフィルター付きの他にも、睡眠時に寝返りをうっても平気な柔らかい形状の人工鼻や、入浴時に水が入りにくい形状のもの(L字の形状で口が下を向いている)などがあります。

用途に応じたいろいろな人工鼻が揃っており、よく考えられていてやっぱすげえな医学(2回目)

 

これからどうなる、どうもならない?

声の出ない親父との生活でどういう困ったことがでてくるかはこれからだけど、家族で決めていけたらと思います。

乾燥が大敵なので加湿器を購入したり、あると便利なものを用意する必要が出てくるかも。

前もって人工鼻の取り替え用に、LED照明がつく卓上の鏡を買っておいたけど、微妙な反応だったので親父自身で納得するものを選んでもらわないと。

 

意思疎通に関しては、今は必要事項の相談ばかりなので、オーバーな身振り手振りと眉間にシワを寄せて伝えようと必死だけど、しばらくすると静かな普段通りの親父に戻るのかもしれない。

足腰はまだ動くし、頭もしっかりしているから、まだまだ長生きできそうです。

では、また次回。